ただ、1つ注意したいことがあります。
年末年始に独立・起業などの大きな決断をするなら、実行に移すのはできれば休暇明け、いったん通常業務に戻ってみてからのほうがいいでしょう。独立・起業は、勢いだけで突っ走ると大変です。
「年末年始はいつもと違う精神状態にある」と自覚しつつ、「いつもとは違う観点からものを見る」ことが大切。
仕事の将来についても、「5年後、10年後になっても続けていきたい仕事か?」「会社内にとどまり続けた場合、5年後、10年後にはどんな業務に携わっていて、それは自分に向いている仕事だろうか?」と考えながら、いきなり退職・独立などの行動を起こすのではなく、「退職・独立の準備を始めるかどうか」を考える程度にとどめるのがよいでしょう。
そして、休暇が明け、通常業務が始まって平時の精神状態に戻ったときに「やっぱり、独立・起業したい」という気持のほうが強くなるか、それとも「今の仕事を続けたい」という気持を大事に思うかを見極めても遅くはありません。いったん独立・起業をしたら、十年、二十年と走り続けなければいけないのですから、年末年始にホンの数日、立ち止まって考えることは、けっして無駄な時間とは言えないでしょう。
さて、年末年始に考えることをお勧めしたいのは、「本を1冊書き上げる」とことです。
個人が「本を出版する」ことのハードルは、電子書籍という仕組みが登場して以降、一気に下がりました。
特に、私が行っているようなライター、コラムニストなどの仕事に興味のある方は、電子書籍を1冊~3冊程度、ご自身で企画・構成を行い、書き上げてみるということをお勧めしたいです。売上につながるから、というよりも、次のようなことをご自身でチェックできる機会となるからです。
・ライターに求められる企画・構成力が備わっているか?
・読者のニーズを把握する力があるか?
・1つのテーマを掘り下げて、まとまった量の文章を書く力があるか?
・時間管理をきちんと行い、根気よく書き続けることができるか?
電子書籍として文章をまとめるには、文字数にして1万5,000字~2万5,000字程度が必要ですが、紙媒体の本(10万字以上)に比べると文字数が少なくて済みます。それでも、2万字程度の文章や資料・画像などを用意するのには根気と、目標達成のためのモチベーションが必要です。
しかし、「電子書籍をまとめあげた実績がある」ということは自信にもつながり、ご自身のウェブサイト等でもアピールしやすい大きなポイントとなるでしょう。
もちろん、ライター、コラムニストを志望していない方であっても、これまでの業務実績を振り返り、今後の展望について考え、それを多くの人にアピールする手段として、電子書籍をまとめるのは良い方法です。通常業務に追われることのない年末年始には、落ちついて考える時間を持つこともできるでしょう。
年末年始には、普段と違う取り組みを行い、何か1つ自信をつけて通常業務に戻って行けるといいですね。